令和8年9月 定例議会
自由民主党の松平雄一郎です。令和8年9月の定例議会に当たりまして、自由民主党文京区議会を代表して、質問をさせて頂きます。
1.マンション価格高騰による今後の施策と地域社会への影響について
まず初めに、「マンション価格高騰による今後の施策と地域社会への影響について」伺います。
文京区を含む都心6区の中古マンション平均価格は、近年、上昇を続けてきました。コロナ禍直前の2020年1月時点では約8200万円でしたが、今年1月時点では約1億8800万円に達し、わずか6年間で2.3倍となる急激な上昇です。新築マンションでも、いわゆる「億ション」が珍しくなくなり、2億円を超える物件も見られます。実際、区民の皆さまからも、「あそこのマンション、どんな仕事をしている人達が買えるのか」「普通の共働きの家庭ではとても買えない」といった声を耳にする機会が増えています。
この上昇の背景には、共働きで世帯年収2000万円を超える、いわゆるパワーカップルによるペアローンでの居住用かつ資産としての購入や、国内富裕層による相続税対策や余剰資金の投資、歴史的な円安を背景とした海外投資家による購入などがあり、特に本区では中国人富裕層の影響も大きいと考えられます。
これまで、本区が積極的に進めてきた子育てや教育に関する政策が効果を上げ、質の高い子育て環境や教育水準を求めるファミリー層が本区へ流入し、人口増加を支えてきました。しかし、近年の不動産価格の高騰は、文京区で住宅を購入できるファミリー層をより限定し、人口流入にも影響を与え始めていると感じます。実際、直近5~6年間の人口の推移をみると、0~5歳や、その親世代である30代~40代の人口は、少しずつ減少傾向にあります。マンション価格の上昇は、住宅ローンや家賃として生活の支出に大きな影響を与え、本区への人口流入にも一定の影響を及ぼしていると考えます。コロナ収束後から現在に至るまでの、マンション価格の経過と本区の人口の推移について、本区はどのように認識し、分析をしているのか、まず伺います。
一方で、今年2月には、都心6区の中古マンション平均価格の連続上昇記録が37カ月ぶりにストップし、前月比0.2%の下落に転じました。わずかな下落ではありますが、過去6年にわたる急激な価格上昇局面の転換点ではないかとの見方もあり、その後、今年7月も、なお極めて高い水準にあるものの、前月比で下落しています。区内の不動産会社の方からも、これまでの強気な価格設定では成約に至らない案件が少しずつ増え、売り手が価格を引き下げる動きも目立ってきていると伺っています。
また、昨年末の政府の税制改正により、これまで消費税の輸出免税の対象だった、海外に住む非居住者から依頼を受けた国内不動産の売却に関わる仲介手数料が、今年10月より課税対象となります。さらに、短期売買についても税制上の措置を講じる政府の動きがあり、海外投資家を含む市場関係者の投資判断にも一定の影響を与えてきているとの見方があります。
こうした投資マネーの流入減少や日銀の利上げ、居住目的で購入する実需層の購買力の限界などを背景に、マンション価格の上昇傾向には歯止めがかかりつつあるとみられます。一方、文京区をはじめ都心の利便性の高い物件には、高所得者からの人気が根強く、今後、急激な価格の下落は考えにくいとの見方もあります。決して「買いやすくなった」わけではなく、住宅ローン金利に加え、管理費、修繕積立金、固定資産税まで含めた総負担は重く、一般的な実需層にとっては、依然として高い水準です。
こうした状況が今後も続けば、「文京区に住みたいけど、もう少し安い所に住もう」と判断するファミリー世帯に影響を与え、近年の文京区の特徴でもあった、共働きの子育て世帯の比率を低下させる一因となる懸念がある一方で、利便性などを求める高所得の単身者、DINKSと呼ばれる子供を持たない共働き夫婦、外国人富裕層などの比率を高める可能性もあります。中には専門的な知識や技能を持つ人材などの流入が進む可能性もあり、地域経済や地域社会にとってプラスの側面もあると考えられます。不動産価格の影響が、本区の人口構成を変える局面に来ているのではないかと考えますが、今後の人口構成の変化について、本区の見解を伺います。
また、今後の総人口については、マンション価格が高い状況で推移しても、高所得者に支えられ、急激に人口が減少する可能性は低い一方、人口増加のペースが鈍化する可能性も考えられます。現在の「文の京総合戦略」における人口推移・将来人口推計は、マンション価格が急上昇する前の、2022年推計に基づくものであり、現状との見込み差が生じている懸念があります。今年度、人口推計の見直しを行うと認識しておりますが、現時点で、今後の人口増加のペースや年少人口の推移などの将来人口推計について、どのような見通しを持っているのか、区の見解を伺います。
また、特別区民税への影響については、マンション価格が高水準で推移していることから、今後、子育て世帯の流入に一定歯止めがかかる可能性がある一方、高所得者の増加により、引き続き特別区民税の税収の伸びが期待できるのではないかと考えます。近年、本区においては、課税標準額1000万円以上の納税義務者数及びその税額は増加傾向にあり、全体に占める割合も上昇しています。そのうち、課税標準額1億円以上の納税義務者についても、人数、税額、その割合のいずれも増加傾向にあると認識しております。こうしたこれまでの推移を踏まえ、今後の特別区民税の歳入の見通しについて、本区の見解を伺います。
こうした人口構成の変化は、認可保育所の児童数や区立小学校の新入学児童数への影響が考えられます。認可保育所の申込状況については、今年度は昨年9月の第一子無償化の影響もあり、全体で前年度比92名の増加となりましたが、実際の入園数については、3~5歳児の定員に対して空きが目立つ状況が続いています。本区の出生数や0~5歳の人口が減少傾向にある中、来年度以降の認可保育所の児童数の推移の見込み、今後の傾向と課題について、本区の見解を伺います。
そして、区立小学校の児童数については、今年度の新一年生が区内20校全体で1,714名となり、前年度比123名の減少となりました。また学級数については、これまで本区では、児童数が増加する中で35人学級へも対応するため、普通教室の増室や仮校舎の増築をスピード感を持って進めてきましたが、今年度は57クラスとなり、前年度から3クラス減少しています。段階的に進めてきた35人学級が昨年度で完了したこともありますが、新入学児童数の減少にみられるように、本区の教育人口は新たな局面に入りつつあると考えられます。こうした児童数や学級数の変化にも、マンション価格の高騰が影響している可能性があります。来年度以降の新一年生を含む、児童数の推移の見込み、今後の傾向と課題について、本区の見解を伺います。
近年のマンション価格高騰は、本区の流入人口や、地域の人口構成に変化をもたらし、税収や保育・教育・高齢福祉などの各施策、さらには町会自治会などの地域コミュニティにも影響を及ぼす可能性があります。これまで本区は、子育てしやすい環境や質の高い教育環境の整備に積極的に取り組み、「選ばれる自治体」として子育て世帯の流入の増加を実現してきました。しかし、今後もマンション価格が高い水準で推移するのであれば、これまでの政策の方向性も転換期を迎える可能性があるのではないかと考えます。
今後、本区に流入する方の中には、専門的な知識やITスキル、語学力などを持つ人材も含まれると考えられ、地域経済や地域社会にとってプラスとなる側面もあります。こうした新たな人材の流入を歓迎しながら、子育て世帯をはじめ、多様な世代・世帯が住み続けられる、バランスの取れた地域社会を維持していく事が重要だと考えます。今後の人口構成の変化を的確に捉え、できる限り正確な将来見通しと人口推計をもとに、来年度以降の予算編成や各施策の方向性にしっかりと反映していただきたいと思います。
成澤区長 答弁
松平議員のご質問にお答えします。
最初に、不動産価格高騰による区政への影響に関するご質問にお答えします。
まず、本区の人口への影響等についてのお尋ねですが、
近年の区内のマンション価格は、上昇傾向で推移しており、土地価格も高騰していると認識しております。
また、人口推移については、日本が人口減少社会にある中、本区では全体として増加傾向となっています。一方、一部の年代では減少傾向も見られ、人口の増加ペースについては、現行の「文の京」総合戦略における将来人口推計と比較すると鈍化しつつあります。
年齢3区分別の人口についても、推計値と実績値との間に乖離があり、人口構成が変化していくことで、地域活動との関わり方等にも変化が生じる可能性もあると考えております。
現時点では、今後の人口推移の予測を具体的に申し上げることはできませんが、総合戦略の改定に向けた人口推計では、近年の人口動態や社会経済情勢の変化を踏まえるとともに、子育て、福祉、教育等の環境整備や必要な施設整備などの施策を着実に進め、区民の皆様に「住んでいてよかった」と実感いただけるよう、取り組んでまいります。
次に、特別区民税の見通しについてのお尋ねですが、
特別区民税は、昨年度決算において、課税所得水準の堅調な推移及び納税義務者数の増加等により、約438億円と過去最大となり、初めて400億円台となっております。
都の毎月勤労統計調査において、名目賃金が上昇しており、本区においても給与の特別徴収税額が伸びていることや、議員ご指摘のように課税所得水準の堅調な推移及び納税義務者数の増加傾向は続くと見込まれることから、来年度以降においても、当面は安定的な税収を確保できると考えております。
次に、認可保育所等の児童数等についてのお尋ねですが、
本年度の申込者数は、昨年9月から実施している第一子の保育料無償化等の影響も一因となり、昨年度と比べ、全体で92人の増加となりました。
近年、本区の0歳から5歳までの人口は緩やかな減少傾向が続いておりますが、来年度以降の認可保育所等の児童数については、当面の間、本年度と同程度の水準で推移するものと考えております。
また、申込者数や待機児童数の状況を年齢別にみると、0歳から2歳児クラスでは、依然として高い需要がありますが、地域差が生じる可能性も考えられることから、きめ細かな需要の把握に努めてまいります。
3歳から5歳児クラスでは、定員に対して空きが目立つ状況が続いており、今後も、年齢によって需給状況に差が生じる傾向が見込まれ、定員に対する空きがさらに拡大する可能性もあるため、実態に合わせた定員の見直し等を検討してまいります。
引き続き、人口推計の変化や、地域や年齢ごとの実情に応じた保育のあり方について検討を進めることで、保育の質を維持しながら、安定的な保育提供体制の確保に努めてまいります。
なお、教育に関するご質問には、教育長よりご答弁申し上げます。
丹羽教育長 答弁
教育に関するご質問にお答えします。
児童・生徒数の推移等についてのお尋ねですが、
来年度の区立小学校入学予定者数は、本年度と同程度と見込んでおります。これまで増加を続けてきた全児童数の動向につきましては、新たな局面に入りつつあると認識しております。
一方で、大規模マンション建設や再開発事業等の影響により、一部の地域では引き続き児童数の増加が見込まれます。
また、現在の小学校高学年の児童数や、中学校での35人学級の導入をふまえると、区立中学校の学級数は一時的に増えることが想定されます。
引き続き年少人口の動態等を注視し、適切に対応してまいります。
2.町会自治会が抱える課題解決に向けたさらなる支援について
次に、「町会自治会が抱える課題解決に向けたさらなる支援について」伺います。
近年、町会自治会は、加入率の低下、役員の高齢化と担い手不足、町会費の回収方法、マンションの新住民や外国人住民とのつながりなど、様々な課題に直面しています。時代や住民構成の変化が進む中、文京区の各町会が10年後も、地域コミュニティの核として機能し続けられるのか、大きな岐路に立っているのではないかと感じています。
本区には現在153の町会自治会があり、住民同士の親睦をはじめ、防災・防犯、清掃・リサイクル、高齢者の見守り、神社祭礼や子ども向けのお祭りなど、地域生活を幅広く支えています。さらに、区報の配布や交通安全運動、国勢調査への協力、避難所運営協議会の運営、地域活動センターとの連携など、行政の情報や施策を、区民の生活の現場へ届ける役割も担っています。任意団体ではありますが、これまでも、そしてこれからも、行政にとっても欠かすことのできない存在ではないでしょうか。あらためて、行政から見た町会の存在意義について、区長の見解を伺います。
これまで本区では、町会が行うイベントや物品購入、パンフレット作成などへの補助をはじめ、加入促進や担い手確保につながる支援策を展開してきました。また東京都でも、町会倉庫の購入費補助や町会費の徴収を支援するデジタル化推進助成など、様々な支援策を実施しています。こうした補助事業は、コロナ収束後、各町会がイベント行事を再開・継続する中で、多くの町会に活用されています。これまでの支援策について、その評価と課題、来年度以降の方向性について、区の見解を伺います。また、今年度新たに、町会が抱える課題の解決や、適切な運営を目的とした町会自治会向けの「運営マニュアル」の作成を予定していると伺っております。今後の町会活動の継続や課題解決の一助となることを期待しますが、このマニュアルの作成目的や内容、今後のスケジュールについて伺います。 >
しかし、こうした補助事業を活用しながら活動を維持している町会がある一方、高齢化や役員の担い手不足などにより、多くの活動が休止している町会も存在します。こうした町会は、町会費を集めても、活動を通じて町会員に還元することや、新たな役員や後継者を育てることも難しく、10年後の存続が危ぶまれる町会も少なくありません。こうした課題は、町会自身の努力だけでは解決が難しく、さらなる補助金や助成金の拡充だけでは十分ではないと考えます。こうした町会に対して、区はどのような課題認識を持っているのか、見解を伺います。また、地域活動センターを窓口とした、より踏み込んだ行政による伴走支援も今後さらに必要です。活動が休止状態の町会に対し、個々の状況に応じた伴走型支援について、区の見解を伺います。
一方で、様々な支援策を行っても、どうしても今後の維持が極めて難しい町会が出てくることも想定されます。町会の休止や解散は、住民と行政の双方にとってデメリットが大きいため、近隣町会との合併など、柔軟な対策も検討する必要があると思います。2024年5月に柳町町会と柳町三和会が合併し、小石川柳町町会が結成されましたが、こうした事例は、町会の持続可能性を考える上で、重要な参考例だと思います。町会の中には、合併を課題解決の選択肢として認識していても、会計や規約の整理など具体的な手法が分からず、行動に移せない町会もあるのではないでしょうか。町会の合併について、本区の見解と支援策の考え方について、伺います。
今後、町会活動を維持するには、新しく転入した住民、特にマンション住民とのつながりづくりが重要です。しかし、その接点づくりには依然として高いハードルがあります。
新しい住民へのアプローチは、まず町会の活動を知り、その存在と意義を理解していただくことが大切です。子どもがいる世帯であれば、夏まつりやラジオ体操、神社の祭礼、通学路での交通安全の旗振りなど、町会活動を知る機会が比較的多くあります。一方、近年のマンション価格高騰を背景に増加傾向にある高所得の単身者や、子どもを持たないパワーカップル、外国人住民の方々などは、町会との接点を持つ機会が少なく、「町会に入らなければ生活できない」という場面はほとんどありません。しかし、防災や防犯、地域の治安や環境に関心を持つ方は多く、こうした方々の町会への関心や参加意欲を高めるには、従来の親睦を目的とした行事や子ども向けイベントに加え、地域課題の解決につながる「防災・地域安全」の活動が、より重要になるのではないかと感じます。また、新しく転入してきた住民の中には、専門的な知識やITスキル、語学力を持つ方もおり、こうした方々が町会活動に携わることは、町会側にとっても大きなメリットです。これまで町会活動との接点が持ちづらかった高所得の単身者や、子どもを持たない世帯、外国人住民などの方々に、防災・地域安全などの町会活動への関心や参加を促していくために、区はどのような支援を行うことができるのか、区の見解を伺います。
次に、マンション単位のアプローチについては、現在、新築マンションの建設時には、建設事業者と町会自治会との加入促進に係る協議を支援していただいており、一定の効果が出ていると認識しております。しかし、マンション建設後、管理組合が設立された際に、管理費からの支出をめぐる意見対立等により、町会自治会から脱退してしまうという課題は、依然として残っています。
マンションの管理組合は、共有財産であるマンションの維持・管理を目的とし、区分所有者全員で構成される団体です。一方で、町会自治会は、地域住民同士の親睦や地域生活の向上を目的とする任意の団体です。両者は性格や目的が大きく異なっており、この点がマンション全体で町会に加入することの難しさにつながっているのではないかと考えています。
しかし、マンションの管理組合にとっても、防災・防犯、地域の安全や環境は、マンションの維持・管理や良好な住環境を確保する上で重要です。管理組合の町会への関心を高め、地域活動への支出について理解を得るためにも、町会の役割が、従来の住民同士の親睦にとどまらず、地域課題の解決に向けた「防災・地域安全」の担い手へと広がっていくことが、より重要になるのではないかと感じます。マンション単位でのアプローチについて、現状どのような課題があると認識しており、マンション完成後も町会自治会とのつながりを維持するために、どのような支援ができるのか、本区の見解を伺います。さらに町会自治会とマンション管理組合が、それぞれの目的の違いを踏まえつつ、防災・防犯など地域共通の課題について連携できるよう、区が両者をつなぐ仕組みを構築することはできないか、区の見解を伺います。
時代や住民構成の変化に対応するためには、これまでと同じ運営方法では、町会を維持することが難しくなってきています。町会役員の皆さんは、基本的にボランティアで活動し、地域の様々な活動を継続するために懸命に取り組んでいます。しかし、ご高齢の役員の方々からは、「もうこれ以上はできない」といった切実な声も、聞こえてきています。
町会がなくても、私たちは文京区で生活できるかもしれません。しかし、町会がなくなれば、地域の楽しみや賑わいだけではなく、地域の安全・安心を支える力も弱まってしまいます。本区のマンションの資産価値を支える要素の一つである、治安の良さや安全・安心な住環境は、行政だけではなく、町会自治会をはじめとする地域の方々の長年の努力によって支えられてきたものだと思います。町会は任意団体であり、行政による支援にも限界があることは承知しております。しかし、町会自治会が今後も地域の重要な担い手として活動を続けていくためにも、従来の加入促進や補助金中心の支援にとどまらず、時代の変化に対応した新たな取り組みを後押しするとともに、これまで以上に寄り添った伴走型の支援を行っていただきたいと、強く願います。
成澤区長 答弁
次に、町会・自治会への支援に関するご質問にお答えします。
まず、町会・自治会に対する認識についてのお尋ねですが、
町会・自治会では、自治基本条例における協働・協治の考え方に基づき、地域課題の解決や地域住民の相互連携を図るため、自主的・自律的な活動を行っているものと認識しております。
また、地域の担い手である町会・自治会は地域コミュニティの核となる存在であり、町会・自治会活動そのものが、本区の魅力である安全・安心なまちづくりの一端を担っているものと考えております。
次に、支援策についてのお尋ねですが、
区では、加入促進や運営に係る支援を行うことで、担い手不足の解消を図るとともに、地域コミュニティの活性化に取り組んでまいりました。
しかしながら、依然として、加入率が減少傾向にあり、役員の高齢化等も課題となっております。
今後は、これまで町会・自治会との接点が少なかった区民に対し、加入促進に向けた取り組みを進めるとともに、町会・自治会の活動を周知することにより、新たな担い手の確保につながるよう、事業を展開していく必要があると考えております。
次に、文京版町会・自治会運営マニュアルについてのお尋ねですが、
本マニュアルは、加入率の低下及び活動の担い手不足などが深刻化していることから、これらの課題を解決するため作成したものです。役員運営に関する基礎的な知識をはじめ、規約・会則、会計処理、個人情報保護、さらには新築マンションや外国人住民への対応など、幅広く網羅した内容となっております。
先月完成した本マニュアルは、今月から来月にかけて、区内の全町会・自治会へ配付するとともに、データでも提供する予定です。
次に、組織運営が困難な町会・自治会への対応についてのお尋ねですが、
町会・自治会活動の継続が困難になることは、地域コミュニティの存続に重大な影響を及ぼすと認識しております。
町会・自治会の合併は、活動を継続するための選択肢の1つであるものの、対象区域や会費、会計、規約、役員体制など、関係する町会・自治会ごとの合意形成が必要となります。
そのため、引き続き、活動休止の状況や課題を把握するとともに、支援策や合併の可能性について、文京区町会連合会から方針を聞き取り、慎重に対応を協議してまいります。
あわせて、「文京版町会・自治会運営マニュアル」を活用し、地域活動センターが調整役を担うことで、個々の課題解決に向けた伴走支援を行ってまいります。
次に、接点が少ない方へのアプローチについてのお尋ねですが、
区では、町会・自治会との接点が少ない方に対して、地域活動センターの公式LINEを通じて町会・自治会のイベント情報を配信することで、その活動の周知に努めております。
また、町会・自治会に対しては、加入促進事業への補助を行い、活動への参加のきっかけづくりを支援しております。
特に、外国人住民へのアプローチについては、喫緊の課題と認識しており、町会・自治会との関係構築に向けた支援を進めてまいります。
今後も、これまで接点が少なかった方にも地域活動に関心を持っていただき、町会・自治会への加入が、より一層進むよう、周知や支援の充実に向けて検討してまいります。
次に、マンションとのつながりについてのお尋ねですが、
区では、「文京区宅地開発並びに中高層建築物等の建設に関する指導要綱」及び「文京区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」に基づき、事業者との協議において、窓口となる担当者を確認し、町会・自治会へ情報提供をしております。
建築物完成後についても、管理会社等の窓口を町会・自治会へ情報提供しておりますが、新築マンションの入居者に対する働きかけについては課題があると認識しております。
区内のマンションが増加する中、町会・自治会が実施する事業のうち、会員・非会員を問わず参加できる事業へ補助を行うことで、新規のマンション住民が町会・自治会とつながる機会を創出できるよう、支援を行っております。
また、マンション管理組合と町会・自治会は役割が異なることから、それぞれの特性を踏まえた連携につながるよう、文京区町会連合会と協議するとともに、他自治体の事例を参考にしながら検討してまいります。
3.被災地への支援を通じた本区の受援応援体制の強化について
最後に「被災地への支援を通じた本区の受援応援体制の強化について」伺います。
今年7月28日に発生した令和8年熊本地震から約1か月半が経ちました。最大震度7を観測し、熊本市、八代市をはじめ、熊本県内多くの自治体が被害を受けました。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げるとともに、一日でも早い復旧復興を祈念いたします。
本区は、熊本県をはじめ、県内の各自治体と友好都市協定を締結しており、現在、関係自治体と連携し、被災自治体への職員派遣や支援物資の輸送、ふるさと納税による災害支援の代理寄附受付など、様々な支援を行っています。関係各部署の皆さまの迅速なご対応に敬意を表します。
大規模災害が発生すると、被災自治体では、避難所運営、り災証明の発行、物資対応、住民対応などの業務が一気に増加し、自前の職員だけでは対応することが困難になります。こうした被災自治体の初動・応急対応を支えるため、平成30年に総務省を中心に「応急対策職員派遣制度」が創設されました。令和6年能登半島地震においてもこの制度が活用され、本区職員を含む、多くの全国地方公共団体職員が被災地に派遣され、災害対応業務に従事しました。今回の熊本地震においても対口支援が行われており、総務省によると、8月25日時点で熊本を除く全国46都道府県、19政令市から延べ約1万7千人の職員が8市町に派遣されております。
本区では、発生から8日後の8月5日から約2週間、熊本県八代市に計9名の職員を派遣し、また8月21日から約1週間、熊本市へ2名の職員を派遣いたしました。今後も被災状況や現地の支援ニーズによっては追加の職員派遣が行われると伺っております。今回のこうした対口支援について、どのような流れで派遣要請があり、派遣に至ったのか、被災自治体や東京都との連携を含め、これまでの経緯について伺います。また今回の経験を通じて明らかになった課題と、今後の本区の受援応援体制にどう反映していくのか、併せて伺います。
一方、本区が被災自治体となった場合、本区の職員だけですべての業務を処理することは困難であり、職員の負担軽減と被災した区民への支援のためにも、他自治体からの応援職員を受け入れることが必要です。「応急対策職員派遣制度」そして「文京区災害時受援応援計画」に基づき、対口支援チーム等の派遣要請を行うことになると認識しておりますが、本区から応援職員の派遣を要請するまでの仕組みはどのようになっているのでしょうか。また実際に対口支援チームを受け入れる際、どのような体制で受け入れ、各部署との調整や業務分担を行っていくのか、これまでの派遣の経験を踏まえた区の考えを伺います。
次に、支援物資等の輸送に関しては、今回も東京都トラック協会文京支部の皆様のご協力により、8月14日に要請のあった熊本市アクアドームくまもとへの支援物資の搬入が行われました。トラック協会の皆様のご尽力に心から感謝を申し上げます。本区ではこれまでも、被災地への支援物資等の輸送を行ってきましたが、今回の支援では、どのように被災自治体からの要望を受け、物資の内容を選定し、受入先の調整を行ったのでしょうか。その経緯について伺います。また輸送先との調整や物資の受け渡しなどにおいて、混乱やトラブルは無かったのか、今回の経験から見えてきた課題についても伺います。
そして、本区が被災地となった場合には、「文京区災害時受援応援計画」に基づき、発災後4日目以降、国や都からの支援物資を受け入れるほか、協定自治体やその他の自治体、協定事業者・団体等に要請し、物資を受け入れることとしています。これまで実際に被災地への支援物資輸送を行ってきた経験を活かし、今度は本区が支援を受け入れる側となった際にも、その経験や知見を活かせる体制を整えておくことが重要だと考えます。近年、災害協定を締結している東京都トラック協会文京支部と、避難所総合訓練などにおいて物資の受入れに関する実践的な訓練を行っていますが、こうした訓練を通じて見えてきた新たな課題は、どのようなものがあり、それを今後の受援体制にどのように反映していくのか。また、トラック協会文京支部との平時からの連携について、今後さらにどのような取り組みを進めていけるのか、区の見解を伺います。
本区はこれまで、熊本地震や能登半島地震など、甚大な被害のあった自治体へ積極的に支援を行ってきました。こうした被災者そして被災自治体に寄り添った支援は、いざ本区が被災した際に、多くの協力を頂ける「お互いさま」の関係を築き、区民の生活再建を支える上でも、重要な取り組みです。これまでの取り組みを高く評価するとともに、過去の災害支援の現場で得られた経験や知見を今後の対策に活かし、さらなる受援応援体制の強化につなげて頂くことを期待いたします。
以上で私の質問を終わります。ご清聴誠にありがとうございました。
成澤区長 答弁
最後に、災害時の受援応援体制の強化に関するご質問にお答えします。
まず、被災地への職員派遣についてのお尋ねですが、
八代市については、協定を締結している熊本県内にある同市から要請を受け、在宅避難高齢者の健康状態の把握等に従事するため、8月5日から19日までの間、保健師及び事務職員を派遣しました。
また、熊本市については、都と区長会による対口(たいこう)支援の一環として、本区から、罹災証明書の交付及び住家(じゅうか)被害認定調査の業務のため、8月21日から28日までの間、事務職員及び建築職員を派遣しました。
対口支援は都との調整等が必要であり、決定に時間を要していたため、本区では協定締結自治体への支援を先行して実施したところです。
支援にあたっては、区自ら被災状況等を把握し、必要な支援につなげられるよう、平時から協定締結自治体との連絡体制を構築し、発災時に速やかな情報収集ができる「顔の見える関係」を築いておくことの重要性を、改めて認識したところです。
一方、受援体制については、今回の派遣実績も踏まえ、対口支援が決定するまでの間の協定締結自治体からの支援も念頭に置きながら、本区における的確な対口支援制度の活用に向け、全庁横断的な情報連携体制の構築に努めてまいります。
次に、対口支援に係る派遣要請についてのお尋ねですが、
本区では、「文京区災害時受援応援計画」に基づき、受援調整会議において、災対各部が把握した受援ニーズ等を検討した上で、区長が本部長として受け入れを決定し、派遣要請を行うこととしております。
また、区に到着した応援者に対しては、災対総務部受援担当が受け入れを行い、受援ニーズに基づいて、災対各部の受援担当に引継ぐものと定めているところです。
現時点では、国が調整する「応急対策職員派遣制度」に基づく派遣要請を、本区から他自治体に対して行った事例はございませんが、これまで行った被災自治体への職員派遣の経験から、発災時に的確な対口支援を受けるためには、災対各部の受援ニーズを集約し、区として必要な支援を早急に把握することが重要であると認識しております。
引き続き、発災時に備えた派遣要請及び受け入れ体制について、検討してまいります。
次に、支援物資等の輸送についてのお尋ねですが、
本区では、災害時における相互応援協定等に基づき被災地支援を行っており、令和8年熊本地震においても、東京都トラック協会文京支部にご協力いただき、支援物資を輸送したところです。
発災後、必要な支援を確認するため、本区から熊本県、熊本市、上天草市、玉名市、へ連絡したところ、熊本市東京事務所より、支援可能な物資について、熊本市ホームページに登録するよう案内がありました。
そこで、10年前の平成28年熊本地震を参考に支援物資を選定し、熊本市ホームページに登録した結果、ニーズが合致した物資を、アクアドームくまもとへ輸送するよう、熊本市から依頼を受けました。
輸送先との調整や物資の受け渡しにおいて、東京都トラック協会文京支部との連携も含め、大きな混乱やトラブルはありませんでしたが、輸送車両の確保や、長距離移動による運転手の負担を考慮した輸送方法の工夫など、広域的な支援を行う上での課題について認識したところです。
こうした経験を踏まえ、被災自治体との情報共有や連絡体制のあり方、支援物資の選定から輸送までの調整プロセスについて点検を行うとともに、東京都トラック協会文京支部をはじめとする関係機関との連携を一層強化し、迅速かつ的確な支援体制の構築に努めてまいります。
次に、支援物資の受け入れ体制等についてのお尋ねですが、
これまでも、避難所総合訓練において、物資集積拠点であるスポーツセンターから各避難所まで、実際のトラックを使用した実践的な輸送訓練を行ってまいりました。
こうした訓練を通じて、各避難所の出入口の確認、道路状況等を踏まえた配送ルートの把握、荷降ろし等に必要な資機材の整備など、より詳細に検討するべき新たな課題が明らかになってきたところです。
また、「文京区災害時受援応援計画」では、協定に基づき、東京都トラック協会文京支部へ物流コーディネーターの派遣を要請し、物資集積拠点において、搬入された物資の内容確認や保管場所の指示等を行うこととしております。
今後とも、こうした新たな課題や、物流コーディネーターの具体的な運営手順等について、定期的な訓練や意見交換の場を設け、平時からの連携を深め、災害時の円滑な受援体制の構築に努めてまいります。